このカミツルギは対面でメガリザードンXYどちらでも倒すことができます。
カミツルギといえば、異常に高い攻撃力と優秀なタイプを活かした型が有名である。有効打がない相手に対して受け出しして、剣の舞を一度でも使ってしまえば余裕で3タテできるポテンシャルがある。ポケモンSM発売当初は、その特殊防御の異常な低さから、最弱のウルトラビーストとも言われていたが、レート環境が整って行くのに連れて、レートの民はカミツルギの強さに気づいていった。
そんな中、某有名生主が疑似加速カミツルギという変態型のカミツルギを生み出す。
疑似加速とは、ウルトラビーストの特性ビーストブースト(敵を倒すたびに実数値の一番高い能力が一段階上がる)を活用して相手のポケモンを倒すごとに素早さを上げることである。普通に育成したら、攻撃種族値181素早さ種族値109と、差が大きすぎるため、攻撃力が一番高くなってしまう。そんなカミツルギをあえて、臆病という攻撃に下降補正のかかる性格で厳選し、攻撃の個体値も21以下にすることで、素早さにビーストブーストがかかるようにするのだ。素早さにビーストブーストがかかることは全抜き性能を上げるので、この生主の動画ではかなりの頻度で3タテを決めていた。しかし、攻撃に下降補正をかけている分、攻撃力が足りないことが多いのが欠点だ。
今回、筆者はそんな臆病カミツルギの欠点を克服した、新臆病カミツルギを育成した。
問題の解決
臆病カミツルギの欠点は攻撃力の低さにある。せっかく素早さが上がり、相手の上から攻撃できるようになっても、こちらが一撃で相手を倒せず、向こうの攻撃でカミツルギが倒されてしまったら意味がない。実際カミツルギは異常に特殊耐久が低いので、相手にワンパンされてしまうことも多々ある。
つまり、どんな相手でも一撃で倒さないといけないのだ。発明者の生主は剣の舞を採用することで、攻撃力をごまかしていたが、1回剣の舞を使っただけでは火力が足りないのが臆病カミツルギだ。
攻撃力不足を解決して、素早さのブーストを活かすには
相手を一撃で倒せる技が必要になる。
そして筆者は生み出してしまった。新臆病カミツルギを。
新臆病カミツルギ育成論
カミツルギ(NN:Kartana) @かくとうZ
性格:おくびょう 特性:ビーストブースト
技構成:リーフブレード(or みがわり)/みきり/こうごうせい/ハサミギロチン
努力値:H252 B4 S252
解説:GTS海外産のためNNはKartana。性格はもちろん臆病でHS振り。そして個体値はA21以下。
上で述べた攻撃力が足りないという欠点の解決方法だが、そう、その通りだ。ハサミギロチンだ。相手を一撃で倒せる神ワザである。どうだ。臆病カミツルギの弱点を完全に保管するワザだろう。
ん?なに?命中率?30%?当たらないだろって?
いやでも当てれば勝ちだから。
だったらカミツルギじゃなくていいだろって?
まあそう焦るなって、筆者はただひたすら一撃必殺を使うようなバカじゃないから。
一撃必殺について
一撃必殺とは、命中率が30%と異常に低い代わりに、命中さえすれば相手を即死させられるというワザである。第7世代では、「地割れ」「絶対零度」「つのドリル」「ハサミギロチン」の4種類の一撃必殺が存在するが、その命中率の低さから、あまり好んで使う人はいない。
しかし筆者は一撃必殺愛好家であり、一撃必殺パーティを使って、レート初心者にも関わらず、レート1715を記録している。どのように一撃必殺パーティで勝ち進んでいるかというと、筆者はとにかく試行回数を稼ぐことに重きを置いている。
一回一撃必殺を使用しただけでは、命中率は30%で変わらないが、もちろん試行回数を増やしていけば、一撃必殺が当たる可能性も高くなる。具体的に計算すると、X回の試行回数の中で3回以上当たる確率は以下のようになる。
試行回数 | 確率(%) |
---|---|
3 | 2.7 |
4 | 8.3 |
5 | 16.3 |
6 | 25.5 |
7 | 35.2 |
8 | 44.8 |
9 | 53.7 |
10 | 61.7 |
11 | 68.7 |
12 | 74.7 |
13 | 79.7 |
14 | 83.9 |
15 | 87.3 |
16 | 90.0 |
17 | 92.2 |
18 | 94.0 |
19 | 95.3 |
20 | 96.4 |
10回の試行回数を稼げれば、61.7%の確率で一撃必殺を3回当て、勝利することができる。61.7%で勝利というのはレートでいうと1900〜2000辺りであり、これを聞くとその強さを実感するだろう。
とは言え、実際のところ10回の試行回数を稼ぐのはかなり困難で、色々な手段を使ってやっとできるかできないかというレベルだ。その主な手段として、身代わりを貼る、壁を貼る、回避率を上げる、素早さの高いポケモンで上から攻撃する、高耐久のポケモンで受けループをするなどがある。
一撃必殺使いとしてのカミツルギ
臆病カミツルギは上記の試行回数を稼ぐ手段のうち1つ(素早さの高いポケモンで上から攻撃する)を満たしており、ビーストブーストで素早さを上げることにより、どんなポケモンに対しても上からハサミギロチンを使えるようになる。上から攻撃できることは試行回数を稼ぐ上でかなり重要な要素で、運が良ければ無傷で3タテできる。
そしてもう一つ、カミツルギにはアイデンティティがある。
カミツルギは一撃必殺と「みきり」を両立できる唯一のポケモンなのだ。
なぜ「みきり」かというと、そのZ技の効果にある。
みきり | |||||
威力 | - | 命中 | - | PP | 5 |
---|---|---|---|---|---|
効果 | 必ず先制でき(優先度:+4)、そのターンの間、相手の技を受けない。連続で使うと失敗しやすくなる。Zワザの攻撃技は貫通し、1/4のダメージを受ける。 | ||||
Z技効果 | 回避率が1段階上がる。 |
Zみきりという技は、そのターンの攻撃を防ぎつつ、回避率を一段階上げてくれるのだ。つまり無償で回避率を一段階上げられる。一段階回避率が上がってしまえば、もともと100%の命中率の技でも75%になる。これで相手が技を外せば+1回試行回数を稼げるようになる。
さらにカミツルギは高い物理耐久と、優秀な回復技を兼ね備えている。おまけにタイプもあのナットレイと同じ草鋼。攻撃に努力値を割く必要のない臆病カミツルギは自ずとHP振りになり、物理技ならある程度は受け切れるようになる。対物理アタッカーなら、Zみきりから入り回避率を上げ、こうごうせいで受け続けて、相手が技を外したらハサミギロチンを使うという戦い方ができる。
正直、さらに試行回数を稼ぐために「身代わり」を採用したいところだが、技スペースが足りない。まあ「リーフブレード」は必要ないっちゃないのだが、命中安定技を一つくらいは入れておきたいところだ。タスキ潰しや水タイプのポケモンにはかなり使える。まあでも、「ハサミギロチン」一筋で行く勇気のある人なら、「リーフブレード」の代わりに「身代わり」を採用しても構わない。
まとめ
いかがだっただろうか。Zみきり運ゲー型臆病カミツルギ。ただの一撃必殺使いではない。素早さブーストで全ポケモンを抜き去り、Zみきりで相手の隙を作り、高耐久+回復技で受け切ることもできるカミツルギ。一撃必殺使いとしては絶好の条件が3つも揃っている。まあいくら試行回数を稼げても、一撃必殺を使っている以上、運ゲーにはなってしまうが、勝てるときは本当に勝てる。筆者はこのカミツルギと共に、レート1600から1700までを勝率72%で駆け上がった。実はこのレート帯の人間は諦めが早く、一回でも一撃必殺を当てることができれば降参してくれることも少なくない。これも一撃必殺の強みだろう。
冒頭の文章についてだが、運が良ければ(30%)メガリザードンを倒せるだけで、確実ではない。ちなみに大抵カミツルギとメガリザードンが対面すると相手は交代読みで余計なことをしてくるので、もう1ターン隙が生まれて、合計2回一撃必殺のチャンスをもらえる。
要約すると、このカミツルギは対面でメガリザードンXYどちらでも倒すことができる。
みんなもハミチンしよう!